広告運用の定例会議で話すべきこと

広告運用の仕事は定例で広告主様に成果を報告したり、
改善提案をするケースが多い仕事です。
今日はその時の会議で話すべきことを書きたいと思います。

【いくら使っていくら儲かったのか?】

 広告主さんが気になるのは極論ですが
 「広告費をいくら使っていくら儲かったのか?」
 これが基本です。

 最初の新卒の時はインプレッションやクリック数等から報告しがちです。
 ※少なくとも私はそうでした。

 ただ自分が広告主側だとしたら、
 広告を行う目的は売上を増やしたいからですよね?

 だからまずは細かい内容を報告するのではなく、
 広告費をいくら使っていくら儲かったのか?
 この内容が出発点になります。
 ※どの会社も共通する目的は「利益の最大化」です。

 だからまず報告すべきは「利益」に近い内容から報告すべきです。
 「利益」とは売上-費用です。
 売上のデータも見れるなら売上から報告すべきですが、
 サイトのゴールが問い合わせや予約であればCV数。
 そして1件のCVを取るためにいくらかかったかのCPA
 から報告をすべきです。

【前月や前年と比べて良いのか悪いのか?】

 「広告費をいくら使っていくら儲かったのか?」
 が分かったら、

 次に気になるのは、
 「それは前月や前年と比較して良いのか?悪いのか?」
 この点かと思います。
 大きな季節トレンドがなければ前月比較で良いと思いますが、
 季節トレンドがあるなら前年比較する必要が出てきます。

 ▼CV数やCPAが変動した理由は何なのか?

  ・どの下層指標が変化したのか?
   CV数ならクリック数×CVR
   CPAならCPC÷CVR
   等をお話していきます。

  ・どのキャンペーンや広告グループが変化したのか?
   これはどんなキーワード群が変化したのか大まかに把握するために、
   これを行っています。

【使い方を変えると更に儲かるのか?】

 最後に使い方を変えると更に儲かるのか?
 これも広告主さんが聞きたい内容です。
 具体的には、

 ・更に予算を追加すれば儲かるのか?
  そのまま予算を追加すればCPAを悪化させずにCV数が増えるなら、もっと広告費を使いたいです。

 ・やり方を改善しないと儲からないのか?
  このままのやり方だとCPAが悪化する一方なら、例えばキーワードを絞る、広告文を変える、LPを変える。変えるなら具体的にどんな内容を変えるのか?

 こんな内容が広告主さんが聞きたい内容だと思います。

【まとめ】

まとめると色んな指標にごまかされず広告を行う目的を考え、
広告主さんが知りたい内容を端的に伝えられるようになりたいですね。
下記に基本をまとめておきます。

・いくら使っていくら儲かったのか?
・前月や前年と比べて良いのか悪いのか?
・使い方を変えると更に儲かるのか?

今回は以上です。

リスティング広告における良いアカウントとは何か?

 リスティング広告における良いアカウントとはどういうものでしょうか?

 それは運用者が問題発見・問題解決しやすいアカウントかつ利益を最大化できるアカウントだと思っています。

【運用者が問題発見・問題解決しやすいアカウントとは?】

 簡単に言うとどんな運用をしたいのか一目で分かりやすいことです。

 具体的に言うと分ける意味のある分け方になっていること、また日本語が分かりやすいことです。

 ▼分ける意味のある分け方になっている

  キャンペーン単位、広告グループ単位で分ける意味のある分け方になっているのは非常に重要です。

  ・キャンペーン単位の分け方

   キャンペーン単位の機能で言えば、日予算、デバイス別の入札、スケジュール、地域、入札戦略等がキャンペーン単位での設定機能になります。

   この機能を特定のキャンペーンだけに使いたいから分ける等の話です。

   例えば店舗案件で言えば、地域を含むワードは、特にキャンペーンで地域設定をしません。
   他方地域を含まないワードはキャンペーンで地域設定をします。
   ※地域を含まないワードは地域設定で絞らないとターゲット外のユーザーが入るためです。

  ・広告グループの分け方

   広告グループ単位で言えば広告グループ単位でできることは、入札、広告文の2つです。

   ということは殆ど入札も同じで広告文も同じものを入れるつもりなら特に広告グループは分ける必要はないです。

   あえて広告グループを分けるなら意味を持って分けるべきだと思います。

 ▼日本語が分かりやすい

  キャンペーン名や広告グループ名で使用している名称と中身が一致していることです。 意外とこれは重要です。

  一致してないと作成した運用者以外運用ができないアカウントになり、引き継ぐ人が半端じゃなく大変です。

【利益を最大化できるアカウントである】

 これは自社の商品やお客様の中で粗利の大きいお客様を集客できる構成になっていること。これが大事です。

 この構成になっていれば、粗利の大きい商品やお客様に予算を集中投下するなどができます。

 いかがだったでしょうか?リスティング広告を行う目的はあくまで、
 「最小の手間と広告費で最大の粗利額をあげることが目的です。

 この目的にかなうようにアカウントを構成していきたいですね。

差別化訴求すべき「強み」とは何か?

差別化された「強み」が大事。
これはよく色んな方からも言われるのではないでしょうか?
今日はそもそも「強み」とは何なのか?
について書いていきます。

【そもそも「強み」とは何か?】

 「強み」とは弊社での定義は、

 顧客に刺さる競合よりも強いポイント

 を指します。図でいうとこんな感じです。

【なぜ「強み」が大事か?】

 ではなぜ強みは大事なのでしょうか?

 強みがなかった場合、顧客から選ばれません。
 顧客側になったつもりで考えてください。

 何かものを買う時は自分の課題を解決したくて買うと思います。
 なので自分の課題をより解決してくれるものを選ぶわけです。

 強みがなければその商品が自分の課題を解決してくれるか全く分かりませんよね?
 だから強みがない商品は選ばれないということです。

【「強み」の3分類】

 とは言っても何が「強み」になるのか分からないことはあると思います。

 そこで弊社では下記3分類に分けて「強み」を定義しています。

 ・手軽軸:低価格でどこにでもある

 ・品質軸:どこよりも品質が良い

 ・密着軸:オーダーメイド型の対応ができる

 ※[参考文献] 佐藤 義典, 経営戦略立案シナリオ (かんきビジネス道場), 2007年5月21日

 この3つのどれかに当てはめるのが良いと思います。

【どうやって「強み」を作るか?】

 弊社の場合は、

 ▼顧客像を調査

   顧客が欲しくなる

  「TPO」、「購入するときの基準」

  をメモ書きで考えます。
  あえてデジタルで考えないということがポイントです。

  デジタルで検索したりせずに自分の頭の想像で考えます。
  いきなり検索してしまうと答えを見てしまうため思考の枠が狭まります。
  だからあえてデジタルは使わずに考えるということがポイントです。

  ※また弊社ではゼロ秒思考と思考習慣を大事にしてるのでこちらも紹介しておきます。

 ▼競合調査

  リスティング広告で「競合の訴求」「競合の金額」を弊社では調査するようにします。

  ・ドンピシャのキーワードで検索をする
  ・競合訴求の広告文を確認して印象的に思ったものをまとめる
  ・競合のLPを確認して印象的に思ったものをまとめる

 ▼自社の強み調査

  という形で顧客と競合訴求を把握したうえで響く自社の強みを考えます。

【強みにならないケース】

 強みの3分類で強みにならないケースを紹介します。

 例えば、

 ・低価格をうたっているのに競合の方が安い
 ・品質をうたっているだけでなぜ品質が良いのかがない
 ・オーダーメイドをうたっているが不必要なカスタムが多い

 こんなケースは強みとはなりません。
 あくまで「顧客に刺さり競合よりも強いポイント」が強みということです。

【強みを支える理由とは何か?】

 ちなみに品質やオーダーメイド感で訴求する場合、
 競合も似た訴求をしていることがあります。
 例えば根本的に改善します
 は最近よく見る訴求ですよね?

 この場合なぜ根本的に改善できるのか?なぜ他社よりも根本的に改善できるのか?
 を伝える必要があります。

【まとめ】

 いかがでしたでしょうか?
 訴求する「強み」次第で問い合わせ率や購入率は激変します。
 自分らしい顧客に刺さり競合よりも強い部分を見つけたいですね。

ファーストビューこそ全て!ユーザーをつかむファーストビューとは?

【ファーストビューとは何か?】

 ファーストビューはLPの中でも最重要項目と言って良いと思います。
 ファーストビューとはウェブサイトを見て最初に画面に表示される部分を指します。

【ファーストビューはなぜ大事なのか?】

 ファーストビューはなぜ大事なのか?
 それは約50%程のユーザーがファーストビューでCVします。

 こちらのデータをご覧ください。
 CTAボタンをどこで押したかをデータで取った内容です。
 ※弊社ではこういったデータもGoogle Analyticsで計測できるように、Google Analyticsのイベント機能を使って取得するようにしています。

 notsetはファーストビュー、90はほぼ最下部まで見たユーザーです。

 こちらを見ると、約44%のユーザーはファーストビューでCVしているんです。

 だからファーストビューを大事にしないということは約半分のユーザーを逃すことになります。

【ファーストビューの構成要素とは何か?】

 大きく分けると3つです。
 キャッチコピー、画像、CTAのこの要素になります。

 ▼キャッチコピー

  まずはキャッチコピーです。
  キャッチコピーは大きく分けると差別化訴求型とベネフィット型に分かれます。

  差別化訴求型とは、読んで字のごとくですが顧客に響き、競合に勝てる訴求を書くパターンです。
   差別化訴求型を使うのはニーズが顕在化しているワードの場合や、ディスプレイでニーズが顕在化したプレースメント等から集客する場合に良く使います。

  ベネフィット型とは、サービスを使用して嬉しい未来を表現するパターンです。
  ニーズが潜在向けのワードや潜在顧客向けに訴求するときに使うことが多いです。
  また個人的な感覚ですが女性ターゲットの場合、男性ターゲットよりもベネフィット訴求の方が響く感覚もあります。

 ▼画像

  画像は背景画像や余白も含んで画像と称しています。

 ▼CTA

  CTAとはコールトゥアクションの略で、電話ボタン、LINEボタン、問い合わせボタン、カートに入れるボタンなどを指します。

【陥りがちな罠】

 ▼文字を詰めすぎる

  文字を詰めすぎることが一番陥りがちな罠です。
  文字を詰めすぎることが一番最悪です。基本的にネットユーザーは斜め読みが多いです。
  そのため詰めすぎたファーストビューは基本的に読んでもらえないと思った方がよいでしょう。

 ▼何の文字を強調したいのか分からない

  できれば訴求内容は減らすのがコツですが、多くてもメイン訴求とサブ訴求程度の2つです。
  またメイン訴求とサブ訴求もフォントサイズや色などで「明確に」分けることがポイントです。
  メイン訴求なら文字を大きくする。他方サブ訴求なら文字を小さくする。
  等をします。

 ▼文字と画像のバランスが悪い

  文字の割合が多いケースが良く見られます。
  あくまでこれは肌感覚ですが、文字と画像は半々くらいの割合、もしくは文字割合が少な目でも良いかと思っています。

 以上です。ファーストビューはLPを作る際本当に大事な部分です。
 練りに練ったファーストビューで一人でも多くのユーザーをCVに導きましょう。

広告代理店のタスク管理「考える」と「作業」は分ける

 タスク管理は永遠のテーマですね。
 広告代理店などのコンサルティング業務の場合、
 新人とエースのでは生産性は冗談抜きで10倍以上変わります。

 今日はそのタスク管理の方法について書いていきたいと思います。

【なぜ「考える」と「作業」は分けるべきなのか?】

 なぜ「考える」と「作業」は分けるべきなのか?
 そもそも人間の脳はマルチタスクに向いていません。

 だから作業をしながら考えることをやると良いアイディアは基本的に出ません。
 私は新人の時代にキーワード選定をするだけで10時間かかったことがありました。。。

【どんな順番で「考える」と「作業」は行うか?】

 順番はもちろん「考える」から始めます。
 「考える」がないとアウトプットするゴールがないまま作業をするので、
 そもそも作業に終わりがありません。

 作業と考えるを同時に行うとゴールがない状態でひたすら走ってるので、
 そりゃあ終わりませんよね?
 ゴールのないマラソンをしているようなものです。ほぼ拷問ですね。。。

【「考える」は業務の一番最初に行う】

 「考える」業務は朝出社or業務開始後一番最初に行うべき業務です。
 理由は

 ・最も大事な業務である
 ・夕方以降では疲れて良いアイディアは出ない

 からです。

 成果を上げるために必要なことを考えないと、
 そもそも意味のある施策アイディアは生まれません。

 ただ漫然と業務を行うべきではなく、
 きちんと自社の成果、クライアントさんの成果を上げるために業務を行うべきです。

【タスク管理における「考える」とは何か?】

 タスク管理における考えるとは、
 「作業」レベルまでタスクを分解することです。

 「作業」レベルとは解釈がいらない粒度まで分解することを指します。

 例えば私がこのブログ記事を書くときの分解粒度をお話します。

 ・まず何を書くか考える→最近部下に指摘したことは何か?を問う
 ・何をテーマにするか決める
 ・そのテーマの目次を洗う
 ・目次の順番を決める
 ・目次に対しての結論を考える
 ・今洗った内容で何か書きづらいことはないか考える

 という感じです。

【終わりに】

 いかがだったでしょうか?
 私は考えると作業を分けるということを教わってから、
 間違いなく自分の仕事が変わり、
 任せて頂けるクライアントも多くなりました。

 コンサルティング業務に従事している方はもちろん、
 そうでない方も試してみてください。